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サツキの病害虫被害に注意!

小社にも時折、病害虫の報告をいただきます。

ここの所聞こえてきたものを挙げますと、

葉裏が赤褐色を帯び、葉がひきつる症状の

チャノホコリダニの被害。

そして、葉をまさに虫食い状に食害される

コガネムシ(成虫)の被害が報告されています。

そして、今年は暑いので、

おそらくスリップスの被害も散見され、

かつシンクイムシ被害も出ると思われます。

昨日も、サツキの周りを飛ぶ、

ベニモンアオリンガを見かけた、しんです。

 

まずは侵される前の防除、

そして被害を見つけた際の殺虫及び駆除を

徹底することです。

殺虫剤、殺菌剤、殺ダニ剤を上手に使い分け、

定期的にローテーション散布しましょう。

薬剤は、裏面の適合作物の欄を見て、

つつじ、もしくは花木類、観葉植物の

適用のあるものを選びましょう。

 

また、風通しが悪かったり、

棚下の水はけが悪かったり、

鉢同士がぎっしりとひしめいていたり、

棚下が草だらけだったり、

古葉が残っていたりすると、

そこが病害虫の温床にもなりかねませんので、

棚場を清潔に保つことも重要です。

あとは、鉢数を減らし、

目と手の届く数に厳選することも良策です。

 

これからも暑い日々が続くと思われます。

熱中症にも留意しつつ、

サツキライフを楽しみましょう。

サツキ品種「小鈴」

体が大きいせいか小さいものへの憧れがあります、しんです。

幼稚園のお遊戯会で森の子リスになりたかったのですが、

体が大きいという理由で主役の王様になった経験があります。

 

モダン盆栽をご存知でしょううか。

栃木県皐月会の部門のひとつなのですが、

極小盆栽でもあり、手乗りのミニ盆栽でもあり、

挿し芽などから気軽に作れるお手軽タイプの

サツキの小盆栽(片手でもてるようなサイズ)を指して、

そう呼んでいるものです。

 

樹のサイズが小さいというだけで、

花径のサイズに関する規約は一切なく、

極小輪でも巨大輪でも小さく作ればOKというもの。

必然的に作りやすい晃山系などに集中しがちですが、

せっかくならばいろいろな種類を楽しみたいところ。

その中で極小輪の咲き分け品種、小鈴を紹介しましょう。

 

 小鈴 大冠×桜鏡 純白地に紅色の大小絞り、

 覆輪、白・紅色無地。極小輪

 

とにかく小鈴は花が小さいことが身上の品種です。

花径は3cmくらいでしょうか。

星の輝よりもちょっと小さいかもしれません。

なおかつ白地に紅色絞りの咲き分けで咲かせやすいのも魅力。

しかも早咲きのため、いち早く楽しめるという利点もあり、

花を見れば、素直に「可愛い!」と感じること請け合いです。

また、花が小さいだけでなく、樹質がとても柔らかく、

幹や枝が細いうちはかなりくにゃくにゃと曲げられます。

では太らないかと思いきや、意外と太い素材もあるようです。

葉性も花径も小さく、まさにモダン盆栽向きの品種。

サツキ屋さんで見かけたら、即買いの品種のひとつでしょう。

 

もうひとつ、個人的に好きな部分を挙げますと、

秋季のツボミの尖り具合が秀逸ということですね。

小さい樹姿に、つんつんと自己主張するかのような

小さなツボミの存在がいじらしく感じます。

 

さつき品種「美裕」

小さくはなりましたが、

なかなかあせもって治らないものですね。

肌も齢をとってきたってことでしょうか。

アラフィフのしんでございます。

 

若恵比須の枝変わりで生まれた美裕。

登録者が身内の女性のお名前から名付けられたそうで、

「みひろ」と読みます。

名前と言えば昔は裕美の並びの方が主流でした。

読み方が「ひろみ」、もしくは「ゆみ」だったのでしょうが、

昨今は美裕と並びを変え、「みひろ」、「みゆ」、「みゆう」

などと読ませるようです。

太田裕美さんを想起する人も多いことでしょう。

まあ、キラキラネームとまでは言いませんが、

これも時代の流れ、流行の変化であると思われます。

 

 若恵比須の枝変わり 桜色の地合でまれに濃い色も出る

 二重咲き。中の弁が切れ弁になる。まれに采咲き、袴咲き

 が混じる。小輪

 

しかし、花はとても可愛らしく魅力的です。

親品種の若恵比須のイメージを大きく覆し、

艶めきと華やぎ、そして溌剌とした色香を感じさせます。

元々二重の花弁が切れ咲き、袴咲きとなり、

どこか賑やかな印象を受けますが、

桜色の淡い単色であるため、全くくどさを感じさせません。

若恵比須を仮に若い男性と喩えるならば、

美裕はさしずめ、ティーンエイジャーの女の子

といった雰囲気を持ち合わせていると感じます。

少なくとも私はそう思っています。

それに、花弁一枚ずつの個体差、幅の違いなども大きいため、

咲かせ方で印象を大きく違えます。

その不安定さが、思春期の女の子みたいに感じるのです。

なので、ぎっしりと咲かせても、数花パラッと咲かせても

面白い品種ではないでしょうか。

 

小さく作っても可愛らしく、

大きく作っても見栄えがすること間違いなし。

親が若恵比須ですから、きっと太りもいいことでしょう。

実際に展示会では小品や盆養木、多幹樹形、

それにモダン盆栽(細幹の手乗り盆栽)などでも見かけます。

 

 

さつき品種「千歳錦・千歳川」

福岡、大分の水害は報道でしかわかりませんが、

家屋が流されるなどの凄まじい惨状に、

自然の猛威の恐ろしさを十二分に感じさせてくれます。

一昨年、鬼怒川でも水害があり、

ここ鹿沼市でも堤防が決壊し、橋が落ちた所もあり、

けっして人事ではありません。

いつ何時、天災に見舞われるかわからないものです。

とりあえずは万が一の心構えだけは

持っておこうと思っている、しんです。

 

前回、熊本にちなんだサツキを紹介しましたが、

今回は福岡県にちなんだサツキを紹介します。

それは千歳錦と千歳川の2品種。

どちらも白地に紫色系の絞りが入り、

落ち着きの中にも艶があり、

サツキの花らしく、玄人好みする花姿が魅力です。

解説では大輪花とされていますが、

現在の定義に合致させると、

おそらく中輪花の範疇に入るのではと思われます。

 

 千歳錦(ちとせにしき) 系統不明

 白地に紫紅色の絞り、覆輪、無地。

 花肉の厚い大輪

 

 千歳川(ちとせがわ) 千歳錦の実生

 白地に濃紅紫色の絞り、覆輪、無地。大輪

 

千歳錦は明治の中頃に、

福岡県は久留米市の桑野養成園で

作出された品種であると言われています。

作出されてから120年近く経過し、

現在でもごくたまにではありますが、

展示会でその姿を見ることはできます。

九州辺りでは、時に庭木としても見かけますね。

 

その千歳錦の実生で生まれたのが千歳川です。

こちらもごくたま〜に展示会で見かけます。

どちらも花形、葉性がよく似ており、

知らないと同定するのも難しいものです。

見比べると千歳錦の方が

鮮やかに発色するような気がします。

個人的には千歳川の方が好みでしょうか。

 

久留米市と言えば、阿蘇山に発し、

有明海に注ぐ一級河川の筑後川が

街中を流れることで知られています。

歌謡曲などの歌詞でも頻繁に歌われていますね。

今回の水害で大きな被害を受けた

朝倉市を流れる川もこの筑後川の支流です。

日本三大暴れ川のひとつに数えられており、

昔から洪水の多い川としても有名です。

確かに時に水害などに見舞われる川ではありますが、

流域の人々に様々な恩恵をもたらす川でもあり、

上手に自然と付き合っていくしかないのでしょうね。

 

実はこの筑後川の古い名前を、千歳川と言い、

現在でも様々な場所名、地名として

千歳の名前が使われています。

ちなみに九州のサツキ業者8軒の集りも、

千歳会と呼ばれています。

おめでたい名前でもありますので、

もしどこかのサツキ屋さんで素材を見かけたら、

即買いしても損はない品種ではないでしょうか。

 

さつき品種「火の国・篝火」

熊本地震から1年と少し。

未だ爪痕生々しい熊本周辺ですが、

復興は着実に進んでいる様子。

純粋で正義感の強い

肥後もっこす精神を発揮すれば、

未来は明るいことでしょう。

 

先日そのような状況の熊本に出張中、

熊本銘菓のいきなり団子を食べて、

感動を覚えたしんです。

熊本ラーメンもいいですが、

こちらもお薦めです。

 

そして、そんな熊本県に由来する

サツキの品種もございます。

今回は熊本県人が命名した、

火の国を紹介します。

 

 火の国 緋縅の枝変わり

 濃い緋紅色の底白。剣弁咲き。中輪

 

火の国。すなわち肥の国であり、

阿蘇山を擁した熊本を意味する言葉です。

名は体を表す通り、

炎がめらめらと燃えているような、

真っ赤でゆらぐような花弁が魅力です。

それでも芯はほのかに白く、

それゆえに赤さが際立って見えるほどです。

個人的なイメージで言えば、

岡本太郎氏の描いた「炎」の字や

絵画「明日の神話」の火のデザインの

動的な印象があります。

 

 篝火 晃山の光の枝変わり 

 濃い紅色無地。剣弁咲き。小輪

 

また、晃山の光の枝変わりに、

篝火という品種もあり、

色彩と命名のされかたがよく似ています。

こちらは紅色無地の剣弁花です。

火の国同様に燃える火をイメージした

品種名ですが、こちらは小輪です。

個人的なイメージで言えば、

火の国と比べると少し静的で

速水御舟の日本画の「炎舞」のような、

じっと見入るような印象を受けます。

 

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