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さつき品種「愛の月・恋の月」

今日から10日ほど、雨模様だそうで、

一気に寒くなっていくのでしょうね。

外仕事がなければ、雨は好きな、しんです。

夜空が眺められないのは残念ですが。

 

毎年、サツキの花季展取材で様々な土地を訪れます。

近年はさすがに少なくなってきましたが、

展示会場として公園などを借りきり、そこに会場を設営し、

24時間体制で警備しつつ展示会を催す会は多くありました。

ここ最近は、会員の高齢化、防犯などの問題から、

場所を公民館や商業施設などに移し、

開催時間を9時〜5時に区切る展示会が増えた様子。

それゆえに取材時間も限られ、大変なんですけどね。

24時間営業の青空展示会は風情もあり、

夜風に当たりながら電灯下のサツキを鑑賞するのも、

お祭り的情緒があって乙なもの。

これも時代の流れと言えば仕方ないのでしょうが、

いずれ古き良き時代の展示方法になっていくことでしょう。

 

取材の方も、元々公民館などを使う展示会は日中に訪れ、

24時間開催の展示会は、早朝か夜にお邪魔していました。

当然、夜遅くに訪れると、お祭り気分も手伝って、

会員さんは酒盛りで出来上がっている人もちらほら。

撮影後にその輪に混ぜていただき、ご一緒する機会もあり、

当然の如く、まじめな話はどこへやら。

それでもやはりサツキ好き者の集まりですから、

サツキに関するバカ話で盛り上がります。

 

東北地方のとあるサツキ会では、お酒の入ったカップを手に、

いきなり、ラブム〜ン!という声が上がり、

我が意を得たりと、別な人もラブム〜ンと立ち上がります。

「ム〜ン」の所は鼻に抜けるように余韻を持って優しくです。

お酒の入った席での話ですから、

その時の話をまじめに書いても面白くもないんですけどね。

ちなみにラブム〜ンとは、サツキの品種の「愛の月」のこと。

 

 愛の月

 愛国の自然実生。純白地に濃紫色の小絞り、飛び入り絞り、

 覆輪、底白、白・紫色無地。花肉の厚い中輪

 

要は展示会に愛の月が展示されており、

その樹を肴に盛り上がったというお話。

今やその会も室内会場になってしまい、

そんな話も懐かしい話となってしまいましたが、

今でも、その会にお邪魔すると、ラブム〜ンの話が出ます。

 

ラブム〜ンならぬ愛の月は、

愛国が自然に実を結び(男親がわからない状態)、

そのタネを蒔いて生まれた品種です。

色彩は同じ白地に紫色系の花を咲かせます。

花の咲き出しも早めで、そこは愛国の血を受け継いでいます。

明らかな違いは底白の入り方。

愛国はまん丸に入りますが、愛の月はやや玉斑状。

そして覆輪も蛇の目状に入り見事です。

 

その花の美しさから、花ものに仕立てられることが多く、

最近でこそ展示会への出品も少なくなってきましたが、

咲かせれば今でも垢抜けた風情を見せてくれるはず。

その涼やかな花模様は、まさに愛の月の名に合っています。

ちなみに愛の月は四季咲きの性質を持ち、

秋半ば頃にもパラパラと花を咲かせることの多い品種です。

なので、まさに名月に合致した花とも見て取れますね。

 

ただし直訳英語的なラブム〜ンだと、

かなり淫靡な印象に陥ってしまいますので、

英語名にする時はもっと別の印象の名にして欲しいかな、

なんて思っています。

まあ、そのようなふざけた名前にはならないでしょうけどね。

 

 恋の月(写真は愛の月の底白部分のアップ)

 愛の月の枝変わり 濃紫色の底白。花肉の厚い中輪

 

そしてそして、愛の月のこの美しい底白花だけを分離し、

ひとつの品種にしたものを、恋の月と呼びます。

余白が無い状態ってことでしょうか。

恋は盲目とも申しますからね。

ジャケ買いではないですが、

愛も恋もどっちも持っていたくなる名前ではないでしょうか。

 

しかし、英語ではその愛も恋も同じく、

「LOVE」の一語に集約されてしまうようですね。

なので、恋の月も英語に直すとラブム〜ンなのでしょうか。

まあ、直訳の日本語英語ではありますが。

たまにしか出てきませんが、展示会で見かけたら、

そっと耳元でラブム〜ンと囁いてあげてください。

 

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