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さつき品種「雛・しらべ」

西の空、ちょうど日光連山の辺りに、

淡い帯状の雪雲が迫りつつあります。

まともに紅葉を見る前に、山は雪景色でしょうか。

どこか真紅の紅葉を見に行きたいと思っています、しんです。

 

一昨年、日本皐月協会に登録された雛。

品種解説によりますと、しらべの地合枝変わりとあります。

まず、しらべがわからないという人が多いのでは。

私もどのような品種か、脳裏に浮かびませんでした。

小社発行のさつき1000種図鑑には復活での掲載があり、

そこを読んで見ると、三晃の月の実生とあります。

サツキに詳しい方であれば、ああ樹性が多少は弱いのかな、

なんて感じることでしょう。

それゆえに、見かけないのかなぁとも思いました。

 

そのしらべの花は旭の泉に似た雰囲気を持ち、

覆輪の美しい丸弁、もしくは梅弁に近い端正な花です。

しかし、発表されたのは昭和45年頃とあり、

光の司や淀の光などの剣弁花全盛の時代にあって、

ふくよかな丸弁の花は、やや不利な状況下。

そのせいもあり、なかなか日の目を見なかった感もあります。

ここ20年のうちに、展示会への出品も、

おそらく片手で足りるほどの数しかなかったことでしょう。

言うなれば、忘れ去られた品種であったかもしれません。

 

 しらべ 三晃の月の実生 白地に紫紅色の大小絞り、

 飛び入り絞り、覆輪、紫紅色無地。丸弁。中輪

 

 雛 しらべの地合枝変わり 薄紫紅色に紫紅色の大小絞り、

 飛び入り絞り、覆輪、薄紫紅色。紫紅色無地。丸弁。中輪

 

しかし、新たに地合枝変わりで雛が登録されました。

ほのかな地合に変化し、今風の風情を備え、

地合でありながらも、メリハリの効いた花になっています。

もちろん、この花が先行き人気になるかはこれからですが、

一度消えたと思われる品種でも、

時代を経て、枝変わりの子が脚光を浴びることによって、

再び表舞台に名前が出ることもあるのですから、

サツキの品種の世界とは実に面白いものなのです。

なにやら芸能界と似ているような気もしますね。

まだまだメジャー度はありませんが、

照葉を生かして花を少なめに配し、

文人風の盆養木に仕立ててみると面白いかな、

なんて思っています。

 

おそらく、このようにして、再度日の目を見るという品種は、

これからも出てくることでしょう。

そんなサツキの栄枯盛衰、そして復活物語を

どんどん楽しみたいものです。

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