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さつき品種「千代の富士」

讃岐うどん系のコシの強いうどんではなく、

福岡系のような、やわらかい手打ちうどんの店を

近所に見つけた、しんです。

茹で過ぎたやわらかさとは違い、

繊細な舌触りと優しい食感が魅力です。

 

国歌「君が代」には、

千代に八千代にというフレーズがあり、

永久に栄えるという願いが込められているそうです。

よって、サツキの品種名にも、

この千代の文字を冠した品種名は多く存在します。

メジャーな所では千代の光、千代の誉、千代の月でしょうか。

 

今回は少しそのメジャーな品種から外れ、

千代の富士についてお話しましょう。

えっ!そんな品種は知らないって…。

でも実際に存在する品種なので、やっぱり紹介します。

34年前に登録されたさほど古くは無い品種です。

まあ、江戸時代からある品種に比べればという観点でですが。

出自は千代の月の巻葉枝変わりとなっています。

親は樹質が弱いと折にふれ形容された千代の月であるため、

この千代の富士も同様の性質を持っています。

それ故に展示会等ではまず見かけず、

小社のさつき事典からも一時は削除の憂き目に遭い、

いつしかその名前も知られず、消えかかっていました。

 

枝変わりであるため、樹質の弱さは改善されていないのです。

弱いがゆえに、当時横綱となって3年目、

後の大横綱となった千代の富士の名にあやかり、

名前だけでも強くなれとの願いを込めて命名したもの。

 

 千代の月の枝変わり 白地に紅色の大小絞り、

 覆輪、底白。キキョウ咲き。小輪

 

ちなみに発見・登録したのは、宇都宮市の老舗サツキ園、

文化園の現在の園主である、宇賀神一男さんです。

縒れるように巻き上がる葉、

キキョウ咲きで開ききらない花と、個性はたっぷり。

そこにきて、樹質は弱く伸びもよくないとあります。

やや赤がちになる傾向もあるようですね。

 

ならばこの欠点、いえいえこの魅力を最大限に活かし、

あえて切ったり、針金を巻いたりの樹作りはせずに、

伸びたまま楽しむのもありかな、と思うこの頃。

なんと言っても、その特異な樹姿は魅力にあふれます。

巻葉って、手がけてみると結構ハマるものだと思うんですね。

定番のサツキに飽きた人にはお薦めですよ。

 

まあ、弱いと謳われた品種とは言え、

当時枝変わりで生まれた千代の富士は、

今でも文化園さんの棚の上でしっかりと生きています。

型にはめるばかりがサツキの楽しみでは無いと、

教えてくれる一樹のように感じます。

細々とではありますが、広い世の中では

こうした形で残る品種もあるようです。

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