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さつき品種「三勝・紅千鳥」

本日は赤穂浪士討ち入りの日とのこと。

歴史には疎いですが、ピンポイントでの歴史好きのしんです。

有名武将の逸話より、文献に残る市井の人々の物語など、

あまり知られていない情報に興味があります。

 

あまり聞き慣れないサツキの品種に三勝があります。

純白地に藤紫色の絞りが入る品種で、

今でも時折展示会に顔を見せる程度の希少品種です。

大正時代の頃に九州は久留米で作出されたと言われる品種で、

交配された親品種の系統はわかっていませんが、

色彩や花形、作出地から考えるとおそらくは、

千歳錦あたりを親にしているのではとも推測できますね。

 

 三勝 系統不明(旧花) 純白地に藤紫色のあら絞り、

 竪絞り、覆輪、白無地。中輪

 

その変わった品種名から、命名の由来が気になり、

ネット検索でそのまま「三勝」と調べてみると、

それらしい記述として江戸前期の女舞芸人美濃屋三勝を発見。

元禄8年12月7日に大坂千日寺の墓地で、

馴染み客の赤根屋半七と心中とあります。

この事件を題材に扱った歌舞伎の演目「茜の色揚」として

悲恋情話の物語に仕立てられ、人気を博したようです。

上演後も浄瑠璃など様々な分野で題材にされたとのこと。

ひょっとすると、その三勝に由来するのかなと。

もちろん定かではありませんが、あくまで推測です。

 

ならばその心中相手であった半七の名は、

サツキの品種名としてあるかなぁと思い探してみたところ、

なんと文献上ですが紅千鳥の別名=半七という記述を発見。

赤根屋→茜→紅とくれば、あり得ない話じゃないですね。

 

 紅千鳥 三勝の実生 白地に緋紅色の小絞り、竪絞り、

 飛び入り絞り、吹掛け絞り、白・緋紅色無地。中輪

 

続いて紅千鳥を探してみると、

こちらはいくつか同名異種があり、半七がどの品種を指すか、

定かではありませんでした。

ただ、気になる事柄がひとつ。

昭和44年に日本皐月会に登録された紅千鳥は、

なんと三勝の実生とあるではないですか。

花柄は白地に緋紅色の絞りが入る花。

軽い波打ちが入るややキキョウ咲きとなる花を咲かせます。

しかし、近年はほとんど見かけることは無いような気も。

まさに半七が裏切る形となった貞淑な妻のせりふ、

「今ごろは半七さん、どこでどうしておじゃるやら…」

のように存在がわからない状態ですね。

 

別名を半七と呼ばれていた紅千鳥と

この三勝の実生で生まれた紅千鳥が同一かはわかりませんが、

どちらにしても不思議な縁を感じる気がします。

他にも同名異種に紅色無地の紅千鳥や紫紅色無地の紅千鳥、

薄黄色地に濃緋紅色の絞りが入る紅千鳥などもあるようです。

 

誰か三勝と紅千鳥を交配し、

ひとつの品種を作ってあげてはいかがでしょうか。

300年以上の時を超えて、

そこで初めて二人の恋が成就するかも。

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