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さつき錦秋展

落果したギンナンの濃密な芳しさ漂う東京は上野にて

2班体制にて錦秋展の搬入、全点撮影。

美術館班のカメラを担当した、しんです。

 

今年から上野恩賜公園の竹の台広場の他、

隣接する東京都美術館ギャラリーBでも

会場を分けて開催されます。

開催日は10月26日(木)〜10月29(日)の四日間。

朝9時半〜17時までの開催となります。

28日(土)の10時30分から講習会

29日(日)の11時からオークションも開催。

 

ちなみに審査は明日の25日。

なので、今日の時点では結果は全く決まっていません。

サツキファンのみならず、

盆栽に興味のある方、是非ご観賞を。

また、隣のギャラリーAでは、

バードカービング展(無料)も開催中のようです。

 

さつき品種「祥瑞」

ネットのYouTubeで時々、

昔懐かしの歌謡曲を聴いています、しんです。

やはり十代の頃に聞いた曲は、歌の良さだけでなく、

その当時に肌で感じた様々な感覚も蘇ってくるもの。

甘い思い出、苦い思い出が交錯しますね。

 

サツキの古い品種に祥瑞という品種があります。

最近の展示会ではまず見かけず、

近年では私もまともに見た記憶はありません。

5〜10年に一度見かけるかどうかのレア度です。

たま〜に品種と呼ぶには少し抵抗があるくらい、

今や希少となった品種と言えるでしょう。

祥瑞とは、調べてみるとめでたいことのあるしるし、

吉兆などとも言われており、

めでたい意味を持つ品種名ということになります。

 

 旭光錦×十六夜 白地に紅紫色のあら絞り、白無地。

 反りのある広い花弁。大輪

 

祥瑞は昭和の初期に発表された品種で、

旭光錦と十六夜の交配種。

栃木県は宇都宮市内で作出された品種のようです。

十六夜の花弁に両種の色彩を融合したような絞りを入れ、

咲き分けになった花です。

葉性は十六夜の血の色が濃いように感じます。

なんとなく、いろいろな品種に似ているため、

仮にどこかの展示会に出品されていたとしても、

品種の掲示がなければ、きっと同定はできないでしょう。

札を見て、ああこれが祥瑞なんだと思うに違いありません。

写真を見る限りでは、白勝ちの花模様のようですね。

花底、ブロッチが黄緑色を帯びるので、

明るく爽やかな印象を与える花であると思われます。

 

ちなみに祥瑞という言葉は、瑞祥とも同じ意味になります。

漢字の前後が入れ替わっているのですが、

意味はほぼ同じということです。

凸凹(でこぼこ)と凹凸(おうとつ)のようなものでしょう。

 

サツキの品種は祥瑞ですが、

盆栽界には五葉松の品種に瑞祥というものがあります。

サツキは「しょうずい」で、ゴヨウマツは「ずいしょう」。

漢字が逆転していますね。

五葉松の瑞祥は、葉性が短くきめ細かで、

生長も早いという特徴があり、

日本瑞祥愛好会という組織まであるほどの人気ぶりです。

昭和の初め頃に見出された八房品種と言われ、

サツキの祥瑞と共通する点があるとすれば、

生まれた年代が同じ、同世代ということになります。

 

ゴヨウマツの瑞祥は展示会に頻繁に盆栽展に出品されますが、

サツキの祥瑞も今でもきっとどこかの愛好家の棚上に

静かに鎮座してあることでしょう。

再度日の目を見て、人気再燃となれば面白いかもしれません。

さつき品種「紅」

今年は意外と雪のふり出しが早いかなと思っています。

なのでスタッドレスタイヤへの交換も、

早めにやろうかなと思う、しんです。

まあ、もう少し先の話ではありますけれどね。

 

それではまた、サツキの品種紹介をば。

自然界に存在する(自生する)サツキの基本色は、

もちろん大多数が紅色。いわゆる赤一色です。

街路の植え込みのサツキを見ればわかると思います。

なので、自然界から濃淡ある花色や変わった花形のものを

選抜し品種名を付けた紅色無地品種が、

古花品種としていくつか見受けられます。

春日野、唐糸、金采、日向野、紅万重、薩摩紅、珊瑚采

などがそれにあたります。

その後、交配実生によって、花形の大小や花弁の多少、

葉性に魅力のあるものなどが作出され、

紅色無地品種としてひとつのカテゴリーを形成しています。

 

もはやこのカテゴリーの色形は出尽くした感もありますが、

いえいえ、実は今でも新花登録には、

紅色無地の品種はいくつか登録されているのです。

その中で、15年ほど前に登録され、

やや雰囲気を違えた品種に、紅があります。

紅と書いて「くれない」と読みます。

高校野球の応援歌としてもよく知られるX JAPANの名曲、

紅(くれない)と同じ読み方ですね。

 

 白梅×夢 濃紅色無地。キキョウ咲き。小輪

 

見れば今まで存在したどの紅色無地品種とも一線を画します。

すぼまるように突出して咲く、キキョウ咲きの花形、

艶やかで垢抜けた濃密な紅色の花色、

そして黒々としてこじんまりとした葉性。

それらが絶妙に融合し、新しい雰囲気を作り上げています。

 

昨今の展示会にも、盆養木作品として時々見かけ、

花時期であれば、たったひと色ですが、

おっ!と目を惹く存在感を醸しています。

落ち着きの中にも微かな華やぎがある花

と言えばわかりやすいでしょうか。

そんな渋い魅力溢れる品種なのです。

 

残念ながら今現在のところ、紫や白、赤、朱、黄、青など、

紅以外に一字で色彩を表す品種名は見当たらないようです。

ひらがなで「みどり」や、紫輝と書いて「むらさき」、

と読む品種はありますけどね。

サザエさんのリアリティー

久しぶりにアニメのサザエさんを見ました、しんです。

どれくらいぶりでしょうか。

昔なら、ああ明日は月曜日かと

憂鬱になるところですが、

不思議とそれすら忘れているくらい、

見るのは久しぶりでした。

 

でも久しぶりに見ると、

リアリティーが増していましたね。

調度品なども今風でしたし、

特に盆栽がリアルでした。

昔は何でも黒松のデフォルメでしたが、

今回はたぶん山もみじだったと思います。

いつの日か、リアルなサツキ盆栽を

波平さんがいじるのを見たいものです。

 

さつき品種「愛の月・恋の月」

今日から10日ほど、雨模様だそうで、

一気に寒くなっていくのでしょうね。

外仕事がなければ、雨は好きな、しんです。

夜空が眺められないのは残念ですが。

 

毎年、サツキの花季展取材で様々な土地を訪れます。

近年はさすがに少なくなってきましたが、

展示会場として公園などを借りきり、そこに会場を設営し、

24時間体制で警備しつつ展示会を催す会は多くありました。

ここ最近は、会員の高齢化、防犯などの問題から、

場所を公民館や商業施設などに移し、

開催時間を9時〜5時に区切る展示会が増えた様子。

それゆえに取材時間も限られ、大変なんですけどね。

24時間営業の青空展示会は風情もあり、

夜風に当たりながら電灯下のサツキを鑑賞するのも、

お祭り的情緒があって乙なもの。

これも時代の流れと言えば仕方ないのでしょうが、

いずれ古き良き時代の展示方法になっていくことでしょう。

 

取材の方も、元々公民館などを使う展示会は日中に訪れ、

24時間開催の展示会は、早朝か夜にお邪魔していました。

当然、夜遅くに訪れると、お祭り気分も手伝って、

会員さんは酒盛りで出来上がっている人もちらほら。

撮影後にその輪に混ぜていただき、ご一緒する機会もあり、

当然の如く、まじめな話はどこへやら。

それでもやはりサツキ好き者の集まりですから、

サツキに関するバカ話で盛り上がります。

 

東北地方のとあるサツキ会では、お酒の入ったカップを手に、

いきなり、ラブム〜ン!という声が上がり、

我が意を得たりと、別な人もラブム〜ンと立ち上がります。

「ム〜ン」の所は鼻に抜けるように余韻を持って優しくです。

お酒の入った席での話ですから、

その時の話をまじめに書いても面白くもないんですけどね。

ちなみにラブム〜ンとは、サツキの品種の「愛の月」のこと。

 

 愛の月

 愛国の自然実生。純白地に濃紫色の小絞り、飛び入り絞り、

 覆輪、底白、白・紫色無地。花肉の厚い中輪

 

要は展示会に愛の月が展示されており、

その樹を肴に盛り上がったというお話。

今やその会も室内会場になってしまい、

そんな話も懐かしい話となってしまいましたが、

今でも、その会にお邪魔すると、ラブム〜ンの話が出ます。

 

ラブム〜ンならぬ愛の月は、

愛国が自然に実を結び(男親がわからない状態)、

そのタネを蒔いて生まれた品種です。

色彩は同じ白地に紫色系の花を咲かせます。

花の咲き出しも早めで、そこは愛国の血を受け継いでいます。

明らかな違いは底白の入り方。

愛国はまん丸に入りますが、愛の月はやや玉斑状。

そして覆輪も蛇の目状に入り見事です。

 

その花の美しさから、花ものに仕立てられることが多く、

最近でこそ展示会への出品も少なくなってきましたが、

咲かせれば今でも垢抜けた風情を見せてくれるはず。

その涼やかな花模様は、まさに愛の月の名に合っています。

ちなみに愛の月は四季咲きの性質を持ち、

秋半ば頃にもパラパラと花を咲かせることの多い品種です。

なので、まさに名月に合致した花とも見て取れますね。

 

ただし直訳英語的なラブム〜ンだと、

かなり淫靡な印象に陥ってしまいますので、

英語名にする時はもっと別の印象の名にして欲しいかな、

なんて思っています。

まあ、そのようなふざけた名前にはならないでしょうけどね。

 

 恋の月(写真は愛の月の底白部分のアップ)

 愛の月の枝変わり 濃紫色の底白。花肉の厚い中輪

 

そしてそして、愛の月のこの美しい底白花だけを分離し、

ひとつの品種にしたものを、恋の月と呼びます。

余白が無い状態ってことでしょうか。

恋は盲目とも申しますからね。

ジャケ買いではないですが、

愛も恋もどっちも持っていたくなる名前ではないでしょうか。

 

しかし、英語ではその愛も恋も同じく、

「LOVE」の一語に集約されてしまうようですね。

なので、恋の月も英語に直すとラブム〜ンなのでしょうか。

まあ、直訳の日本語英語ではありますが。

たまにしか出てきませんが、展示会で見かけたら、

そっと耳元でラブム〜ンと囁いてあげてください。

 

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