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さつき品種「火の国・篝火」

熊本地震から1年と少し。

未だ爪痕生々しい熊本周辺ですが、

復興は着実に進んでいる様子。

純粋で正義感の強い

肥後もっこす精神を発揮すれば、

未来は明るいことでしょう。

 

先日そのような状況の熊本に出張中、

熊本銘菓のいきなり団子を食べて、

感動を覚えたしんです。

熊本ラーメンもいいですが、

こちらもお薦めです。

 

そして、そんな熊本県に由来する

サツキの品種もございます。

今回は熊本県人が命名した、

火の国を紹介します。

 

 火の国 緋縅の枝変わり

 濃い緋紅色の底白。剣弁咲き。中輪

 

火の国。すなわち肥の国であり、

阿蘇山を擁した熊本を意味する言葉です。

名は体を表す通り、

炎がめらめらと燃えているような、

真っ赤でゆらぐような花弁が魅力です。

それでも芯はほのかに白く、

それゆえに赤さが際立って見えるほどです。

個人的なイメージで言えば、

岡本太郎氏の描いた「炎」の字や

絵画「明日の神話」の火のデザインの

動的な印象があります。

 

 篝火 晃山の光の枝変わり 

 濃い紅色無地。剣弁咲き。小輪

 

また、晃山の光の枝変わりに、

篝火という品種もあり、

色彩と命名のされかたがよく似ています。

こちらは紅色無地の剣弁花です。

火の国同様に燃える火をイメージした

品種名ですが、こちらは小輪です。

個人的なイメージで言えば、

火の国と比べると少し静的で

速水御舟の日本画の「炎舞」のような、

じっと見入るような印象を受けます。

 

さつき品種「黒紅の月」

今春、さつき研究の別冊として発刊となった

サツキ品種の図鑑、さつき1000種図鑑。

前回の刊行から200種近く掲載品種を増やし、

3年ぶりにリニューアルでの刊行です。

今シーズンのサツキ花季展にて、

お買い求めいただいた愛好者の方も多いかと思われます。

お買い上げありがとうございました。

図鑑製作を担当しました、しんです。

 

その中で、あの品種が載っていない、この品種は削除された

との声も多々いただきました。

中でも多かったのが、「黒紅の月」が載っていないとの声。

確かに、黒紅の月から枝変わりした品種の、

細弁の黒竜や覆輪の黒紅の美などは掲載があり、

その親品種が載っていないというのはどういうこと?

と思われることももっともです。

 

最初に謝っておきます、ごめんなさい。

実は黒紅の月を今回「削除」した訳ではなく、

7年前に刊行したNEWさつき大事典には掲載が見られます。

しかし、その4年後には、流通が見られないとの理由から、

前回刊行のさつき大図鑑においては、

掲載品種数の関係から割愛したという経緯があります。

 

ですが近年になって素材数も充実してきたせいか、

黒紅の月は普通に流通するようになり、

今年の展示会では作品としても多数の出品が見られ、

人気品種のひとつとなりました。

 

なので本来であれば、流通ありということで、

今春発刊のさつき1000種図鑑に再掲載すべきでしたが、

あまりにもサツキの品種数が多すぎることもあり、

戻すことを失念いたしました。

おそらくそういう品種がいくつか存在すると思われます。

けっして、悪意をもって掲載しなかった訳ではありません。

まあ、言い訳ではありますが…。

ご指摘していただいた皆さん、さすがですね。

もし、他にもございましたら、

そっと教えていただけたら幸いです。

お約束はできませんが、

次回の再掲載品種の候補にしたいと思います。

 

 光琳×緋縅 黒味を帯びた濃紅色の底白

 光琳咲き、剣弁咲き。小輪

 

そしてこの黒紅の月ですが、

品種名にある通り、花色は黒みを帯びた濃い紅色に

底白の芸が入るシンプルな花柄で、

かな〜り特異な色彩をしています。

華やかさというよりは、どちらかと言えば渋好みの範疇。

光とともに吸い込まれるような、

不思議かつ妖艶な魅力を放って見えます。

ちなみに読み方は、「こっこうのつき」ではなく、

「こくこうのつき」ですので、お間違いなく。

 

でも皆さん、今年黒紅の月は、

(一社)日本皐月協会にて新花として登録されましたから、

次回発刊する(と思う)図鑑には、

間違いなく掲載されると思われますので、ご了承のほどを。

ダイレクトプリントを注文していただいた皆様へ

今シーズンのサツキの花季展示会取材時に、

作品のダイレクトプリントを注文していただいた皆様へ。

全国各地から注文をいただいており、

全てのプリント作業は、構図、色合いを丁寧に調整し、

ひとつずつが手焼き(もちろんプリンターですが)のため、

どうしても時間がかかります。

もうしばらく、お時間をいただきたく思いますので、

ご了承の程、よろしくお願いいたします。

ちなみに、ダイレクトプリントを担当しております、しんです。

 

さつき研究8月号校正日

今日は一日、社内にて

さつき研究8月号の校正をしていた、しんです。

ようやく誌面の全貌が見え、

人心地ついた気がします。

 

そして明日は久々の休日。

見てみぬふりをしていた、

庭の草むしりに着手したいと思います。

サツキ品種「彩・四季彩」

不安定な天気の今日、積乱雲が発達し、

鹿沼では昼過ぎに土砂降りとなり、

パチンコ玉大の雹も混じる天候に。

たいていこの季節、栃木県内はどこかで雹が降るものです。

被害さえなければ、そんな天気も好きな、しんです。

 

東北地方の一部を除き、

サツキの花季展示会もあらかた終わり、花ガラ摘みに、

花後の剪定と勤しんでいる愛好者も多いことでしょう。

摘み取った色とりどりの花ガラが

足元を埋め尽くしているかもしれませんね。

 

サツキは色彩の種類も多く、様々に咲き分け、

魅力の多い盆栽樹種です。

サツキは色彩に由来した品種名も数多く、

そのものズバリ彩という品種が存在しています。

 

白地に紅色絞りの咲き分けで彩という名前の割には、

意外と落ち着いた印象を受けるかと思います。

親品種は晃山系の白玲に咲き分けの千代の月を交配したもの。

おそらく樹性の弱かった千代の月の色彩を

作出者は強健な白玲に乗せたかったのではないかと思います。

 

 彩  白玲×千代の月

 白地に紅色の大小絞り、飛び入り絞り、覆輪、

 底白、白・紅色無地。細弁。小輪

 

色彩としては、千代の月の色彩を色濃く受け継ぎ、

白玲の強さも備えた印象の品種になっています。

なので白地はやや乳白色を帯びています。

花芽もすこぶる多く付いて、花芸も満遍なく出ますし、

初心者でも咲かせやすく作りやすい性質。

花ものとしても向き、盆栽に仕立ててもよく、葉性も緻密。

まさに優等生タイプの品種に昇華しています。

 

なので人によっては面白みに欠けるなんて人もいましょうが、

そういう人はもっと派手な、樹作り難易度の高い品種に

挑戦していただければいいでしょう。

彩は花も葉性も小さいので、小さく作るのにも最適な品種。

手乗り盆栽、モダン盆栽としてうってつけです。

 

それから、この彩にもうひと色加わると、

別な品種名に変わります。

それは四季彩と呼び、白地に紅色絞りに黄色が加わったもの。

と言っても、それは花柄としてではなく、葉性としてのもの。

要は緑色の葉に黄色の斑が入り、ひと色増えたのです。

細かく言うと、散り斑系の黄掃け込み斑というものだそう。

 

 四季彩 彩の葉変わり(黄葉・黄玉斑)

 白地に紅色の大小絞り、飛び入り絞り、覆輪、

 白・紅色無地。やや細弁。剣弁咲き。小輪

 

サツキの花は5〜6月の短期間にのみ咲きますが、

斑入りは一年中存在しうる色彩です。

すなわち四季彩は、文字通りに四季を彩る品種

ということになりましょう。

花ガラを摘んでしまった今、こんな品種もお薦めです。

 

ちなみにサツキ愛好者の多くは、

あまり斑入り葉を好まない傾向にありますが、

これはこれで結構美しいもの。

人と違った品種が欲しい方には、特にお薦めです。

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