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さつき品種「大和・大和の輝」

立春も過ぎて春の気配を感じ始めると、

和菓子の類が恋しくなります、しんです。

通勤路脇にある和菓子屋さんの店頭の貼紙にも、

草餅、桜餅、苺大福の文字が踊っています。

先日無性に餅菓子が食べたくなり、

スーパーでみたらし団子を買って食べたのですが、

歳時記を調べてみると、なんと夏の季語なのだとか。

京都の下鴨神社の夏の土用に執り行われる神事、

御手洗会に神饌として供えられたのが始まりだそうで、

それゆえに夏の季語となっているそうです。

 

今年ものらりくらりではありますが、

少しずつサツキに関する記述も増やしていきたいと思います。

小社ではサツキの開花時期を7段階に分けています。

極早咲き、早咲き、やや早咲き、中頃咲き、

そしてやや遅咲き、遅咲き、極遅咲きの7つです。

当然に地域によって差が現れるため、一概には言えませんが、

極早咲きから極遅咲きまでのタイムラグは、

ひと月半くらいはあると見られます。

 

関東南部の東京を基準とすれば、

極早咲きの種類は5月の連休明けくらいから咲き出し、

中頃咲きは5月下旬頃、極遅咲きは6月下旬頃となります。

極早咲きの定番品種と言えば、やはり玉玲でしょう。

この品種は以前(といってももう10年前ですが)紹介し、

今でも普通に展示会で見かけることができます。

ちなみに中頃咲きはサツキの花期展示会期間中に

普通に咲き出して見頃を迎えると思われる、

大盃や翠扇、金采などを基準としています。

 

 

そして対する極遅咲きの品種としては、

松波や高砂、雪中の松、大和などがあります。

今回は、その中から大和を紹介してみたいと思います。

戦後の昭和20年代から40年代まで、

交配実生と花咲かせでその名をとどろかせた、

山野井弥之助氏が作出した大々輪品種です。

大々輪とは、直径で10〜12cmの大きさがあり、

CD(コンパクトディスク)大に咲くものをいいます。

街路樹のサツキの花の大きさを基準として見れば、

かなりの大きな花を咲かせることがわかるはずです。

それだけでもサツキの花の幅広さ、奥深さがわかるはずです。

 

 大和 興亜の光の実生

 雪白地に紅紫色の大小絞り、覆輪、白・紅紫色無地

 花肉の厚い光琳咲き。大々輪

 

この花の魅力は花が大きくインパクトがあることだけでなく、

花弁がしっかりとして端正に、しかも丸く開くことでしょう。

見るからに幼子が描く「お花」といった面持ちです。

雪のような白い花弁を主体に、

紅紫色の絞りがさりげなく入ります。

色彩は全く普通の咲き分け品種と変わらないのですが、

花の咲き出しが極端に遅いことが最大の特徴かもしれません。

 

昨今の展示会では、ごくたまにしか見かけない品種です。

やはり普通に咲かせたのでは、展示期間中に咲かないため、

仮に棚に持っていたとしても、開花が間に合わず、

出品に至らないものが多いのかもしれませんね。

なので、展示会で開花した大和の作品を見かけましたら、

「よく会期に花を合わせましたね」とか、

「よくここまで咲かせましたね」、

などと褒めてあげましょう。

 

花咲かせのベテランの方に伺ったところ、

この大和を展示会に合わせようと思うのならば、

ちょうど極早咲き品種が咲き出す頃に、

室内などに取り込んで保温し、

夜間温度を15度前後に保って咲かせると、

それぞれの地元の展示会に花を合わせることが可能とのこと。

興味のある方は、試してみては。

 

 

 大和の輝 うすい柿色地に濃紅色の大小絞り、

 または竪絞り、覆輪、濃紅色・雪白色無地。大輪

 

また、大和の枝変わり品種に、

白地がうすい柿色地に変化した大和の輝という品種があり、

大きく様変わりして濃密な花色で魅了します。

どちらも毎年東京上野で開催される、

サツキの花の祭典である、さつきフェスティバルにおいて、

農林水産大臣賞を受賞した品種としても知られています。

 

大和、大和の輝ともに、極遅咲き品種ですが、

思いのほか花保ちもよく、比較的長い期間咲きつづけます。

なので、自然状態で咲かせると、

場所や環境によっては7月まで咲いていることもあります。

ここまでくるともはや皐月ではなく、水無月を通り越して、

文月とでも言いたくなりますね。

サツキを永〜く楽しみたいのであれば、

これらの極遅咲き品種をひと鉢手元に置いておくと、

楽しみの幅も広がること間違いなしですよ。

さつき品種「月の霜」

先日、止まったエスカレーターを昇ろうとして、

一歩踏み出したところ、

不思議な感覚に陥りました、しんです。

つい前のめりになっている自分がいて、

平衡感覚がおかしく感じました。

きっと、無意識のうちに、

エスカレーターの動きに合わせた体勢を

取ろうとしているのでしょうね。

 

サツキの品種にある月の霜。

「つきのしも」と読みます。

なんという心地よい響きでしょうか。

月には水も無いでしょうし、おそらく大気もありません。

なので月面に霜が降りることはありえないはずです。

 

では月の霜とは何を指すのか、調べてみたところ、

月光が冴え渡り地上を白く照らす様を

霜に喩えた言葉とあります。

もちろんこれは地球上でのことですね。

なんとも風流な表現ではないでしょうか。

晩秋の冷ややかな月灯りを感じさせますね。

ちなみに月は秋の季語、霜は冬の季語です。

あくまでも比喩的表現ですので、月の霜は秋の季語です。

こんな風流な名前、どんな人が名付けたのでしょうか。

お会いしてみたい気もします。

 

サツキの品種の月の霜は、けっして派手さはありません。

目を見張るような花柄もなく、いたって地味な風情の花です。

それが大きな魅力と言ってもよいでしょう。

基本的にはうすい紫色の無地で時折紫色の小絞りが入る程度。

ほのかにトキ色を含んだようにも見え、

時に冷たく輝き、時に温もりある色彩にも感じます。

実に花姿と名前が合って感じますね。

 

そして、巻葉であることも魅力のひとつになっています。

巻き過ぎず、はだけ過ぎず、適度な葉の巻きっぷりも佳し。

シンプルな花色をカバーするように、

この巻葉がキュッと引き締めてくれているのかも。

 

 霖風系実生

 うすい紫色無地。まれに紫色の小絞り。小輪

 

素材数は決して多くはありませんが、

あれば盆養木、もしくは文人木素材が多いように感じます。

個人的には細くてもいいので、

古さ漲る文人木で楽しみたい品種ですね。

 

ちなみに「月の〇〇」と付く品種名を探してみたところ、

月の鏡、月の桂、月の采、月の雫、月の草原、月の司、

月の波、月の光、月の人丸、月の舞、月の都、月の粧、

月の輪などの品種が見つかりました。

たぶん、展示会で最も見かける品種となると、

やはり月の霜が最もメジャーかなと感じます。

新たに品種名を付けようと思うあなた、

まだ付いていない、月の兎、月の舟、月の宿などはいかが。

国風盆栽展開催中

ここ数日、会社にて国風盆栽展入選樹の

画像処理をしています、しんです。

かなりの数があるので、時間はかかりそう。

普段、盆栽と言えばサツキばかりですが、

たまに他の樹種を見ると、実に目に新鮮。

そのお陰で、あらためてサツキの良さも

知れる、見えてくるというものです。

 

現在、東京上野の東京都美術館にて、

2月11日の日曜日まで前期展示を開催中。

後期展示は2月13日から16日まで

開催の予定です。

サツキも多数展示されていますので、

盆栽に興味のある方は是非どうぞ。

後期日程では、日本の水石展も開催されますので、

そちらも併せて行かれてはいかがでしょうか。

 

 

 

さつき品種「秀峰の光」

また雪予報ですね。

先日ほどは降らなさそうですが、

明日はまた、東京出張を予定しています、しんです。

道路が機能不全に陥らないことを祈りたいと思います。

 

ここで何度も紹介しているように、

晃山系の枝変わり品種は数え切れないほど存在しています。

まあ、全部覚える必要はありませんし、

名前のみで展示会ではお目にかかれない品種もあります。

最終的には好みで取捨選択していただければいいのです。

なんせ、全ての品種を把握できている人は、

きっとプロアマ通して誰もいないでしょうからね。

素材だって、全て揃えることはまず無理な話です。

 

今回紹介するのは、晃山の光からの枝変わりの秀峰の光。

大元は晃山から派生した剣弁咲きの系譜にあたります。

色彩は晃山そのままの晃山の光の色彩が、

如峰山と同様に覆輪花に変化したのが、秀峰の光の花柄です。

ようは覆輪のみの単芸品種ってことです。

なので、さほど派手さはありません。

しかし、弁先の鋭さは大きな魅力を感じます。

小柄な花ですが、間近で見ると力強さを感じることでしょう。

 

 晃山の光の枝変わり(覆輪に変化)

 紫紅色に白覆輪。剣弁咲き。小輪

 

展示会にはそれなりに頻繁に見られる品種のひとつでして、

ベテラン愛好家からは、略して秀峰とも呼ばれます。

晃山系品種の中では比較的太りが緩慢で、

やや硬い樹質を備え、少し気難しさを感じます。

なので、盆養木や株立ちなどの創作樹形こそ見かけますが、

あまり太幹のどっしりとした作品は少ないように感じますね。

晩秋から初冬にかけての照りのある紅葉が美しく、

その渋い面持ちから、渋好みの愛好家に支持されているよう。

 

そして、この晃山の系譜の多くは、

栃木県日光市や徳川家に由来する名前が並んでいます。

晃山も晃の字を上下に分解すれば日光ですし、

他にも華厳や東照の光、如峰山や葵など、

地名や家紋などに由来した名前がいくつも見られます。

 

ということでこの秀峰の光ですが、

特に地名とは関係がない名前のようにも思いますが、

発見者は日光市の人、登録者は宇都宮市の人ですから、

同じ覆輪花の如峰山に対して、男体山ではと感じています。

もしくは日光連山そのものを指して、

秀峰と称しているのかもしれませんね。

 

もちろん、秀峰の指すものは特定する必要もないでしょう。

この品種を育てる愛好者の皆さんが、地元の山に思いを馳せ、

それぞれに育てていただければいい訳です。

個人的に秀峰と言えば、やはり故郷の山の富士山ですが、

花形からは、北アルプスの名峰槍ヶ岳をイメージしますね。

そして山の頂上から見るご来光こそ、

秀峰の光のイメージするものではないかと思っています。

雪中のサツキ

会社の健康診断が3月下旬に決定。

明らかに体重でひっかかりそうな、しんです。

まだふた月ありますので、

少しは数値減に励もうかなと、

気持ちの上では考えています。

 

 

毎朝の冷え込みがキツいですね。

まだまだ雪が解けず随所に残っています。

写真は某公園のサツキの植え込み。

ツンツンと葉を出していますが、

大半は雪の下に没した状態。

雪に押さえつけられていた上部の徒長枝が、

雪が徐々に解けたことで、

ツンと跳ね上がったのでしょう。

なので、徒長枝の片側には穴が見えます。

 

雪国ではきっと、もっと強い力で抑え込まれ、

春に跳ね上がるもの、上がれないものとで

自然模様を作るのでしょうね。

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