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さつき品種「筑峰」

ほのかにですが、正月太りも解消してきました、しんです。

もう少しシェイプアップしたいところではありますが、

徐々に努力したいと思います。

 

以前ここで、ミヤマキリシマ系の品種の鶴翁を紹介しました。

鶴翁はサツキとミヤマキリシマのハーフ品種なのですが、

今回紹介する筑峰もまた、系統こそ不明ではありますが、

やはりミヤマキリシマの血を色濃く持った品種です。

ひょっとすると鶴翁が親なのかもしれません。

 

ミヤマキリシマと言えば、九州に産するツツジの仲間。

なのでミヤマキリシマ系品種の多くは九州産が多いのですが、

この筑峰は意外にも関東で生まれたといわれる品種です。

よって、名前の筑峰は九州の筑豊地域とは関係がなく、

茨城県の筑波山の名前に由来するらしく、

筑波の峰という意味で、筑峰という名前となったようです。

読みかたは「つくほう」ではなく、「ちくほう」となります。

 

 系統不明 ミヤマキリシマ系

 濃桃紫色無地。丸弁。極小輪

 

筑峰の花は、ピンクを少し濃くしたような濃桃紫色の無地。

ややのっぺりとした印象もありますが、

絞りなどの芸は入らない、無地一色の花です。

ミヤマキリシマ系の花らしく、極小輪の花径が魅力で、

葉性も細かく小さく作るには最適の品種と言えるでしょう。

鶴翁に比べて花弁がより丸みを帯びて花色も濃いため、

ひと花の持つインパクトは筑峰の方があるかもしれません。

盆養木で緻密に作るのも良し、

小さく作りこんで棚飾りのアクセントにしても佳し、

株立ちに仕立てて無数の花を咲かせるも楽しいでしょう。

挿し芽にひと花咲かせるだけの一芽挿しもかわいらしく、

小さな花が大きな花を負かすほどのインパクトで、

人目を惹くかもしれませんよ。

それと過去の展示会で、茨城県内の愛好会で、

この筑峰を小品棚飾りで飾られた愛好家がいらっしゃり、

長い地板を霞ヶ浦に見立てて飾っていたのが印象的でした。

 

ちなみに鶴翁は鹿沼さつき会のみで認証登録されていますが、

筑峰は日本皐月協会で登録が見られ、

サツキの品種として、展示会に出品も可能です。

さつき品種「新生のときめき」

今年の有馬記念はキタサンブラックが有終の美を飾り、

競馬ファンならずとも話題をかっさらいました。

私も最後のレースのみテレビで見ていましたが、

やっぱり持っている馬、持っている人は強いですね。

まあ競馬はやらないので、馬券は買っていませんが。

けれども、興味があって時々テレビでは見ています。

実は学生時代に府中に住んでいたことがありますが、

一度も競馬場には行ったことのない、しんです。

有馬記念を獲った方はいい年をお迎えくださいませ。

 

中央競馬に出走する競走馬の名前は字数がカタカナで

2文字以上9文字以内に収めると決まっているそうです。

今年人気のキタサンブラックやサトノダイヤモンドも

9文字は超えていません。

ディープインパクト、ナリタブライアン、オグリキャップ、

テイエムオペラオーやジェンティルドンナ、オルフェーヴルも

促音、拗音、長音を含めても全て9文字以内。

それ以上の名前を付けてしまうと、

実況でも口が回らなくなりそうですからね。

 

ではサツキにはどれほど長い名前があるかといいますと、

小社刊行のさつき1000種図鑑からの限定としてみると、

文字数では「かみのやま乙女」、「かみのやま小町」、

それに「ふるさとのはな」、「新生のときめき」、

「美和のあけぼの」、「湯あがり美人」の7字が最長です。

そこに音数も加えた最も長い名前の品種となると、

「新生のときめき」ということになるでしょう。

文字数で7字、音数で9音となります。

たまたまか、日本人の感覚に備わっているのか、

不思議とこちらも9文字以内に収まっているようです。

 

ただし、以前に某さつき愛好会の展示会を取材した際、

ベテラン愛好家の方から、長い名前はやめて欲しい

との声が挙がったことを紹介しておきます。

理由を伺ったところ、その会では出品者の名札の横に、

品種名をパソコンで印字した名札も置いているのですが、

長過ぎる名前だと印字しづらい上に、

仮に作ってもカードスタンドに入りきらないとのこと。

また、1文字を小さくすると、上下に余白ができるため、

格好が付かないとのご指摘もありました。

 

これからサツキの品種名を付けようと思っている方、

品種名の長さでも売れ行きを左右する可能性があるようです。

誰もが覚えやすい適度な長さの品種名命名を

心がけてみてはいかがでしょうか。

もちろん、その懸念を吹っ飛ばすくらいの実力品種であれば、

それはそれでひとつの個性にもなりそうですが。

あえて寿限無寿限無うんちゃら〜と付けてみる酔狂な人、

さすがにいないでしょうし、

たぶんですが、きっと登録会で止められますわな。

 

 新生の花・葉変わり うすい紫色地に濃紅紫色の小絞り、

 半染め、濃紅紫色無地。剣弁咲き、深切れ咲き。大輪

 

ちなみにこの新生のときめきは、

新生の剣弁咲き、深切れ咲きの

花変わり・葉変わりで生まれた品種です。

世に発表されてまだ4年ほどですので、

展示会でその姿を見る機会は少ないでしょうが、

突出するように咲く花形は魅力的。

いずれその名が当たり前に感じる程に人気となるかも。

これからに期待が持てる品種のひとつでしょう。

さつき品種「杜の都」

育ちは静岡ですが、生まれは福島県会津若松市のしんです。

両親も福島と山形なので、東北地方には何かと御縁があり、

結局は東北まであと少しの所まで戻り住み着いています。

 

以前ここでサツキの秋田五銘花についてお話しましたが、

東北6県の中には、他にもご当地品種がいくつか見られます。けっして多くはないのですが、

どれも個性的で、根強いファンを持つものが多いようです。

山形県の上の山キリンや福島県の松波は有名どころでしょう。

他にも東北地方最大の都市である宮城県仙台市にも、

市の雅称を付けた、杜の都という品種が存在しています。

ちなみにこの杜の都という呼び名は、

江戸時代初期の頃に伊達正宗公によって、

積極的に屋敷林としての植林活動を推奨したことから、

数百年の時を経て、あたかも杜の中に街があるように

見えることから付いたものだそうです。

 

 系統不明 藤紫色無地。

 花弁中央部にブロッチが鮮明に入る。中輪

 

その名を付けたサツキの杜の都は小品盆栽として定評のある、

仙台市の盆栽作家、三浦清恵津氏が作出したといわれ、

およそ50年前に命名されたもののようです。

系統こそ不明ですが、個人的には仙台だけに伊達紫あたりが

交配されているのではないかと推測(期待!)しています。

花は艶やかな藤紫色の単色花で、端正な丸弁が魅力。

特に花弁の質感はとても滑らかで、

知らぬ人が見れば、時に造花と見紛うほど。

中輪の花形ながらも、ひと花の存在感は大きく、

花弁の上部にクッキリハッキリとブロッチが入ります。

数花咲かせただけもそれなりのインパクトになるから不思議。

正統派タイプの整然とした樹や定番の盆養木よりも、

自然樹形や株立ち、根連なりなどの創作樹形に咲かせる方が、

不思議と合って見えるから面白いもの。

それこそ、挿し芽苗にひと花だけ咲かせても

かなりのインパクトを魅せつけられるのでは。

まあ、単色だけに好き嫌いは分かれそうですが、

花柄を気にしないで作れる分、

樹作りのハードルはさほど高くはないので、

初心者の方にもお薦めできる品種かと思います。

 

これまでに福島県では松波の作品だけの展示会、松波展や、

上の山キリンだけの展示会、上の山キリン保存会の展示、

他にも栃木県矢板市での矢板白の作品を集めた矢板白展など、

単独の品種のみでの展示会は数えるほどしかありません。

十数年前、仙台市の有志の愛好家の間から、

仙台市でも杜の都だけの展示会をという声も聞かれましたが、

現在のところ実現はしていないようです。

いつの日か、杜の都で杜の都だけの展示会が実現すること、

願っております。

さつき品種「三勝・紅千鳥」

本日は赤穂浪士討ち入りの日とのこと。

歴史には疎いですが、ピンポイントでの歴史好きのしんです。

有名武将の逸話より、文献に残る市井の人々の物語など、

あまり知られていない情報に興味があります。

 

あまり聞き慣れないサツキの品種に三勝があります。

純白地に藤紫色の絞りが入る品種で、

今でも時折展示会に顔を見せる程度の希少品種です。

大正時代の頃に九州は久留米で作出されたと言われる品種で、

交配された親品種の系統はわかっていませんが、

色彩や花形、作出地から考えるとおそらくは、

千歳錦あたりを親にしているのではとも推測できますね。

 

 三勝 系統不明(旧花) 純白地に藤紫色のあら絞り、

 竪絞り、覆輪、白無地。中輪

 

その変わった品種名から、命名の由来が気になり、

ネット検索でそのまま「三勝」と調べてみると、

それらしい記述として江戸前期の女舞芸人美濃屋三勝を発見。

元禄8年12月7日に大坂千日寺の墓地で、

馴染み客の赤根屋半七と心中とあります。

この事件を題材に扱った歌舞伎の演目「茜の色揚」として

悲恋情話の物語に仕立てられ、人気を博したようです。

上演後も浄瑠璃など様々な分野で題材にされたとのこと。

ひょっとすると、その三勝に由来するのかなと。

もちろん定かではありませんが、あくまで推測です。

 

ならばその心中相手であった半七の名は、

サツキの品種名としてあるかなぁと思い探してみたところ、

なんと文献上ですが紅千鳥の別名=半七という記述を発見。

赤根屋→茜→紅とくれば、あり得ない話じゃないですね。

 

 紅千鳥 三勝の実生 白地に緋紅色の小絞り、竪絞り、

 飛び入り絞り、吹掛け絞り、白・緋紅色無地。中輪

 

続いて紅千鳥を探してみると、

こちらはいくつか同名異種があり、半七がどの品種を指すか、

定かではありませんでした。

ただ、気になる事柄がひとつ。

昭和44年に日本皐月会に登録された紅千鳥は、

なんと三勝の実生とあるではないですか。

花柄は白地に緋紅色の絞りが入る花。

軽い波打ちが入るややキキョウ咲きとなる花を咲かせます。

しかし、近年はほとんど見かけることは無いような気も。

まさに半七が裏切る形となった貞淑な妻のせりふ、

「今ごろは半七さん、どこでどうしておじゃるやら…」

のように存在がわからない状態ですね。

 

別名を半七と呼ばれていた紅千鳥と

この三勝の実生で生まれた紅千鳥が同一かはわかりませんが、

どちらにしても不思議な縁を感じる気がします。

他にも同名異種に紅色無地の紅千鳥や紫紅色無地の紅千鳥、

薄黄色地に濃緋紅色の絞りが入る紅千鳥などもあるようです。

 

誰か三勝と紅千鳥を交配し、

ひとつの品種を作ってあげてはいかがでしょうか。

300年以上の時を超えて、

そこで初めて二人の恋が成就するかも。

皐樹展の日程変更です

さつき研究1月号で

来年の皐樹展の日程を

3月2日(金)〜4日(日)までと

お知らせしましたが、

その後日程の変更があり、

一週早い2月23日(金)〜25日(日)

となりましたのでお知らせします。

 

日程に合わせて宿泊を予約されている方は、

早めの変更をお願いします。

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